2020/05/04-2020/05/10
2020/05/04
35歳になると、なかなか初めてのことがなくなってくるなと思ってたけど、まだあった。
揚げ物を揚げたことがなかった。
料理は好きで自己満ながら色々作ってたけど、揚げ焼きじゃなくて大量の油を使う揚げ物は未経験だった。なので大型連休中に唐揚げを作ることを目標にしてみた。
実家は唐揚げもコロッケも天ぷらもよく作ってくれたので、揚げ物をしているところはよく目にしていた。でも油を使う時は母が「危ないからこっちに来ないで」「水が入ると油がはねるから、洗い物は後にして」などとにかく気を使っていたので、揚げ物=恐ろしいものと刷り込まれていた。確かに危ないからそれくらいで思ってた方がいいんだろうけど、苦手意識になってしまって挑戦しないのも勿体無い。
結果、土井善晴先生の冷たい油から揚げるレシピで美味しくできた。ちょっと揚げすぎたかなと思ったが、初めてにしては上々だと思う。食で喜びを得るタイプなので、自分で作ったごはんがおいしいと幸せ。
2020/05/05
母が作って欲しいものがあったら言ってねとメールをくれたので、ここは甘えさせてもらおうともずくの天ぷらをリクエストした。そしたらなんと翌日には作ってくれて、父が車でマンションまで持ってきてくれた。GWはいつも帰省してごはんを食べさせてくれていたので、帰れないことを思ってのお食事便だと思うんだけど、本当にありがたい。早速夕飯にいただく。
スカーレット総集編が放送されて、前後編全て観てまたオンオン泣いてた。
本当にスカーレットが好き。総集編は喜美子vs常治(とはいえ父である常治が性悪なわけではなく、あの時代背景でああいう人は沢山いただろう。しかし勘弁してくれよジョージの気持ちは忘れない)の細かいところは端折られていたので、是非その辺を未視聴の人々はいつか来る再放送でしかと目に焼いて欲しい。
小池アンリパートが丸っとカットされていたけど、彼女のセリフで
『自分以外の誰かの人生を思うことで、自分の人生も豊かになる』
というものがあったんだけど、あまりに今の自分にグッと来るセリフで手帳にメモしてある。
スカーレットは煽るような派手なドラマチックさはないが(大阪から連れ戻されたり穴窯やりすぎて離婚とかあるけど)、喜美子とその周りの人の人生を丁寧に描くことで、結果的に胸に迫るシーンや言葉が自然と出てきていて、それがとても良かった。まぁ人生というものは得てしてドラマチックになるものだよなぁと。スカーレット制作班は、下手に煽ったりせずに、登場人物の気持ちを丁寧に撮っていくことを大事にしていたそうなので、インタビューでそのことを読んだ時に思わずガッツポーズをとった。
あと、大久保120歳は何回聞いても吹き出してしまう。ギャグセンスも最高なドラマだった。
2020/05/06
在宅勤務と不要不急の用事以外は外出を自粛していることで、体を動かす(動かすというか移動させる)ことが極端に減った。
人に会えない、外に行けない寂しさは一番手っ取り早い食欲を満たすことで誤魔化すようになると、人は肥える。例に漏れず私も肥えた。なんと憎たらしい字だ、「肥えた」。
でも事実なので仕方ない。
食に無頓着どころか、何を食べようかワクワクしている性質なので、食の喜びは減らしたくない。でももう体が若くないので基礎代謝も下がってきていて、息を吸って吐いているだけ、寝ているだけで消費されるカロリーは知れている。
運動しかない。ということでテレビでやっていたハイテンポスクワットをやってみたところ、夜には筋肉痛が訪れて、陸に上がったばかりのマーメイドプリンセスのような歩き方になってしまった。効果てきめんである。
太ももの前と内側、お尻、腰回り、背中、満遍なく筋肉痛になったので続けよう。
限界に近づくと谷本先生が励ましてくれるんだけど、励まし方がおかしくて笑ってしまって負荷が増す。それが谷本先生の狙いな気がしてきた。
2020/05/07
久しぶりに会社へ出勤。4/28が最後だったから、8日ぶりの会社。
前月の〆週間だから出勤人数は幾分多いものの、やはり人数は少ない。それでも仲のいい人たち数人の顔が見られて喋れたので、それだけで心がすっとした。
それはいいとして、在宅でどうしてもカバーできない仕事が多いので、今日みたいな出勤日に一気にやるしかない。月初の忙しさも相まっててんてこ舞いになった。客先からの電話が無いぶん集中しやすいけれど、これで問い合わせがわんさかあったら本当にげんなりしてたな…と持ったが、去年までそういう部署にいたんだった。アドレナリンが噴出するあの忙しさが少し恋しい。ノスタルジー。
日付が変わる頃に、宇多田ヒカルと中村倫也が来週日曜のインスタライブでコラボするという胃が痛くなるようなニュースが入ってきて本当に胃が痛くなる。盆と正月が一緒にきたような喜びで胃が痛くなったのだが、「そこ一緒に仕事するの!?」という驚きも大きくてもう情緒が大波に乗った小舟状態。ツイッターの相互さんが「使う言語が異なるというか、世界線が違う二人が一緒に仕事をする感じ」と言っていて、膝を打ちまくってしまった。それです。
例えば椎名林檎と高橋一生は割と近い世界線にいるんだけど、宇多田ヒカルと中村倫也は違う世界線にいる。わっかるかな〜?わっかんねぇだろうな〜。
冗談です。いや両者のファンはきっと赤べこみたいに頷くはず。何はともあれ日曜が楽しみ。
2020/05/08
残務のために午前中一瞬だけ出勤。ことなきを得られたようで良かった。
宇多田ヒカルのTimeがリリースされた。まぁなんというかっこよさと切なさ・・とうっとりしていたら、公式歌詞サイトが立ち上がっていた。アルバム「初恋」の時も歌詞サイトが公開されたのでガッツポーズ。
それを開けて漸く知ったんだけど、
①「誰を守る嘘をついていたの?」の主語(英訳詩の方を見るとハッとする)
②アウトロの英詞
この二つでもう涙がじゃんじゃん出てしまうし、思考がとても遠くへ行ってしまう。
特にアウトロなんて本当にさらっと歌われているので、「そんなさらっとそんなことを!?」ともう震えが止まらない。今も書きながら泣いてる。
宇多田ヒカルはいつも、言えなかったことや消化できないままのしこりを胸に仕舞い続ける苦しさをそっと歌う。「元気出して!」とチアフルな歌ではないのに、いつも勝手にわたしは救われる。救われるという言葉が陳腐なくらい、なんだろう、救われるというか、出来たかさぶたをそっとなぞってくれるというか。
夜はリモートドラマを観る。
『新型コロナウイルスの影響により、多くのドラマも当面の収録を見合わせています。
でも、こんな状況だからこそ、ホッとできる時間をドラマでお届けしたい!
NHKでは、打ち合わせやリハーサル、もちろん本番収録も、直接会わずに行う“テレワークドラマ”を制作します。』
通常のドラマ制作よりも制約がある中で、どれだけできるのかしらと思ったら、リモート通信を逆手にとって凄く面白く作られていた。4月の発案からなんと2週間(!!)で完成したとのこと。スタッフも演者も素晴らしい仕事をしたなぁとしみじみ。
三夜目の「転・コウ・セイ」が柴咲コウ、ムロツヨシ、高橋一生の中身がぐるぐる入れ替わってしまう話だったんだけど、脚本家森下さんのアイデアがあっぱれだし、役者陣のその人のなりきってる芝居がまぁすごいこと。
わたしはかれこれ3年弱高橋一生をつぶさに観察してきたので、「こういう喋り方」とか「こういう動作」とか、公に見せている面ではかなり彼の口調や動きのクセが頭に入っていると思うんだけど、それを柴崎さんムロさんがものの見事に再現していて本当にすごかった。
特に柴咲さん、ダララララッと早口気味に話すところ、頬杖のつき方がむちゃくちゃ高橋一生で見ていてぞわぞわした。あと高橋一生が入った状態のムロさんがやるインスタライブは、いわゆる公に見せている高橋一生が入っているムロツヨシだったのでこれも凄く面白かった。「そういうよそ行きの表情しますよね」ってニヤニヤした。
(こんなこと言ってるけど、わたしは公の高橋一生氏しか勿論知らない。ただ時々、隙間から溢れてたりするのを目ざとく見つけてしまって、その生々しさ、「生きてる感」にゾワっとするのだ。キャ!素だ❤️とかではなく、見てはいけないものを見てしまったみたいな感じ)
ドラマ自体の結末も、みんな元どおりになりました、良かったね!ちゃんちゃん!ではなく、全員戻らないまま、それでなんとか切り抜けてやっていくというのが容赦のない森下脚本だなと痛感した。
新型コロナは「普通の日常」を壊した。もう今年いっぱい、下手したら数年はこれまでの日常は戻らないかもしれない。戻ってきても、それまでとはちょっと変わっているかもしれない。
それでもなんとか生きて行かなきゃいけない。
なんとかなるよーん!と背中をバシバシ叩けるわけじゃないけど、進めば何かあるかもしれない。悔しいし、やりきれないけれど、こっちが変化しながら(カフカの変身が最後に出てきて唸った)、やっていくしかない。
まだあんまりくっきりとは見えないけど、真っ暗な夜空に小さく点々と星があるのは希望だ。