日々

三十路の女の日々の記録。

20年越しのGRAPEVINE

 ブログがお久しぶりすぎるOLです。

秋ですね、もう台風は来なくていいよ。

冬の賞与は早く来てくれていいし、何度来てもいいよ。

 

 さて、最近twitterでバインバインうるさいからもうわかったよと言われそうだけど吐き出させて欲しいです。

すっかりGRAPEVINE(以下バイン)に出戻ってしまいました。
出戻ったというより、出会い直したが正しいかもしれない。


 始めてバインを知ったのは中学1年の時でした。
当時聴いていたミュージックスクエアというラジオ番組のOPに白日掛かっていたことがきっかけ。退屈の花リリース時はゲストにも来ていたと思います。
 その時何を話していたかは全然覚えていないんだけど、とにかくメロディが綺麗でアレンジがかっこよくて、簡単にかみ砕けない歌詞さえも、それまでヒットチャートものを聴いていた自分には衝撃でした。


 中学時代はとにかくよく聴きました。
当時放送委員だったわたしは、お昼休みに校内放送で好きな曲を掛けられる特権があって、みんなが好きそうなヒット曲と自分が好きで聴きたい曲を9:1(バインは1に含まれる)ぐらいの割合で掛けていたんです。
ある日Reverbを掛けたとき、隣の組の担任が『これあなたが掛けたの?いい曲だね』と声を掛けてくれたのが嬉しかったし、誇らしかった思い出が。

とはいえ、学校にバインのことを知っている人は誰もいませんでした。


GRAPEVINE - Reverb


 こんなかっこいい曲を作る人はどんな人たちなんだろう。
ルーツ探りたがり精神がこの頃から炸裂していたものの、当時ネット環境が今ほど整っていなかったので、店頭で売られている音楽誌でインタビューを読むのが精一杯でした。
4人全員が曲を書く事、作詞の田中氏が読書家、退屈の花rec時はのどの為に蜂蜜を舐めていた、ゴルゴ好きのドラム亀井氏がやたら綺麗なメロディを書く、ギター西川氏のあだ名がミスターor大統領、リーダーは西原氏だが、ジストニアで脱退するかも、
それくらいしか情報収集できていませんでした。

  hereまでをヘビロテしていたものの、Circulator、another skyに来たとき「なんか重たくなったな」と感じるようになってしまったんです。その時の自分の好みと単に合わなかっただけなんだけど、振り返るとリーダーの休養、脱退の時期と重なっているのでひょっとしたら閉塞感らしきものを嗅ぎ取って、ンンンちょっと距離を置きたいぞ……と感じたのかもしれません。


 やがてバインは私の中で、自分から新着情報をキャッチしに行くバンドではなくなっていました。時は流れて中学生だった私も高校、大学へ進学し就職。会社に入って、「昔このバンド好きでさ。今も当時のを聴くんだけどね、GRAPEVINEって知ってる?」と周りに聞いても、相変わらず私と同じ趣味の人は居ませんでした。そして、ずっと音楽は聴いていたけど、社会人になると忙しさもあり、あまり新しい音楽、新譜を聴かなくなっていました。

 

 そんな中で、東京事変が解散。一度ライブに行きたいと思っていたバンドでした。
 boom boom satellietesの川島氏の逝去。一度だけ行ったライブが凄く楽しくて、
また行けたらいいなと思っていたバンドでした。

 

 音楽は生き物。作る人が生きてる人間なんだから当たり前だけど、時々忘れてしまう。今年聴けたから来年も聴けるという約束なんてされていない。バンドが解散することだってあるし、引退してしまうことだってある。これが一番悲しいけれど、亡くなってしまうことだってある。そして自分だって、明日いきなり死んでしまうかもしれない。今聴きたいと思う音楽もライブも、今聴かないといけない。また同じ後悔をしたくない。寝入る前のベッドの中でふとそう思いました。

「あんなに好きだったバインは今どうしてるんだろう。」
サーチ欄に久しぶりに打つアルファベットの羅列、ぐらぺびん、と覚えたっけ。

まだ活動してるし20周年迎えてた、幸いにも名古屋にライブに来るらしく、チケットも発売中。ラッキーだなぁくらいの軽い気持ちで購入しました。

 

  2018年11月、仕事帰りに今池ボトムラインへ。
最近というか初期の曲しか知らないけど大丈夫、バインはセンスがいいからダサいのは作ってないはず、というハードルをむちゃくちゃ上げた状態で開演を待ちました。

 この日私が知っていた曲は、マダカレークッテナイデショ、白日、Reverbの3曲のみ。それにも関わらず本当に素晴らしく、終わった後ひとりで大興奮していました。20年前好きだったバンドのライブに20年越しで行ってみたらこんなにかっこいいんだなんて!ライブ凄く上手い!知らない曲ばかりなのにどれもかっこいいだなんて。なんて幸せなことなのだろう、13歳の私の目に狂いはなかった!


 言うなれば、
「ここのお店前から知ってて美味しいんだけどずっと持ち帰りだったんだよね。ちょっと試しに今日は店で食べてみよう」
と20年くらいやってる店に入ったら、全然知らないメニューばっかり!しかも厨房のおまかせアラカルト!だけどどれもわけわからんくらい美味しい。
これ食べてみたいんですけど〜(覚醒を聴いてみたいんですけど〜)と期待していると、『それは今日は無い!けどこっちはあるで』とまたなんか知らないけどやたら美味しいものいっぱい出されてもうお腹いっぱいだ〜ポワワ〜としてると、『もう今年は店開けへんからな!良いお年を!』と満面の笑みで厨房の人に叫ばれた。
そんな感じのライブでした。噂に違わずドSなセトリ、美味しゅうございました。


 今後バインが中部でライブやる時は絶対行こう、と思ったものの、この時点ではそこまで果敢に過去の曲を辿ろうとしてなかったんです。ライブが楽しすぎて、これは音源を知らなくても楽しめるなと。今思えばアホなの??と自分でも思います。庄内川に流すぞ。

 しかしこのバンドはメロディラインが美しい曲が多いのと、田中氏の歌詞がとても面白いということを失念していました。

 

 今秋のfall tour長久手(本当に素晴らしかったので作品化してほしいです、何卒)に行ったんですが、まんまと「指先」のメロディと「どうして誰もが急ぎ足でその次を欲しがるんだろう」の歌詞が耳の奥にこびりついてなかなか消えなかったんです。帰りの電車でサブスクの音源を聴いたらびっくりしてしまいました、さっき聴いたのに。なんて美しい曲なの。そしてタイトルを改めて読んで崩れ落ちる、“指先”って…!
ああ駄目だ、この曲大好きだ。
もう駄目だ、GRAPEVINEに2度目に落ちた瞬間でした。


GRAPEVINE - 指先

何時の間にこんなすごい曲を。

(答.私が離れてる間です)

 

 当たり前なんだけど、好きな曲をライブでやられると嬉しさは万倍にもなる。

ひどいときには泣く。
頭の中で何度もなぞった主旋律やギターソロを、音源より高い温度と生々しい湿度を持って目の前に突き出されると全身の鳥肌総動員、涙腺の防波堤決壊。
それが楽しめるのは、曲が良くて尚且つライブが上手いバンドだけなんですよね。

GRAPEVINEはそれが出来るんですねぇ。


 これはもっと曲をちゃんと頭に入れた方が楽しめるなぁ、頭の中で繰り返し鳴らせたいなぁと気が付いてからはもう止まりませんでした。hereから先のアルバムを聴きだしたんですけど、めちゃくちゃいいじゃないですか。おべっか言ってるんじゃなくて、本当になんで当時分からなかったのかなと我が身を疑う。多分まだ耳が子供だったんだろうなぁ(ガキにはわかるめぇ)
16歳の時は苦くてよく分からなかったけれど、苦みに向うにある旨味にようやく気付いた。まるでビールみたい。

  

 目を離していた間にリリースされたアルバムが10枚もあるので、聴けるものがてんこ盛りで嬉しいのもあるし、既に知っている歌が20年を経てまた響くという素晴らしい僥倖もありました。

風待ちは昔から好きだったんだけど、ライブで「周りが思うほど実はそんな器用じゃない/あれ、いつのまにこんなに疲れたのかなぁ/まだいけるつもり/ちょっとはつらい」を聴いた時に自分でもよく分からないくらいジャンジャン涙が出て来て自分で自分にびっくり。10代じゃ嵌らなかったピースが30代の今パチンと嵌って、カタルシスが体験できました。

 

 ……長々と書いてしまいました(いつもだね)。 

ライブに行こうと決めた瞬間から、こうなることは決まってたんだと思います。あの夜の自分に親指立ててるし、リプでチケット取っちゃえと背中を押してくれたフォロワーさんは胴上げしたいです。ありがとう。

もう既に次のライブが楽しみです。

数えたら18/11月から、バインのライブは対バン含めて5本見てるんです。多くないですか。多くないの?普通なの?ライブやりまくりバンドなんですか?こんなハイペースでライブやってもらえると嬉しいんですが、このペースじゃないと満足できない体になるから責任とって欲しいです。そんなハイペースにはちょっとね〜ということであれば今回のfall tourを商品化してください、ちょっともう禁断症状出ますよ、お願いビクターさん(ここまで一息)

  あと全然知ってる人がいない!て嘆いてるんだけどライブ行くと人びっちりいるんですよ。いるんじゃないか!皆さんいつもどこにいらっしゃるんですか!寂しかったよぉ!という気持ちでいつもライブで一人黙って開演を待ってます(また一息)

 

 これからバインさん(皆さんバインちゃんって呼んでますよね、勇気が出たらそっと呼ぼうかな)はしばらく制作期間に入るんでしょうか。

きっとまたニヤニヤするようなのを聴かせてくれることを期待して、これまでの曲をじっくり聴きこもうと思います。あぁ楽しみ。

幸福をくれるバインのお三方、金戸さん、勲さん、スタッフの皆さんがこの先も健やかで幸せでありますように。

(ブログの締め方が思いつかないのでお祈りにしておきます)